AIには「ほめて」より「厳しく」。ひと言で、企画の見え方が変わる
AIに企画の相談をするとき、いつも付け足している言葉があります。それが 「厳しく」 です。
結論から書くと、こういうことです。
- AIは、何も言わないと 基本的に肯定してくれる。アドバイスはくれても、「それはいけるんじゃないですか」という方向になりやすい
- 「厳しく」と付けると、自分では考えもしなかった反対意見 や、「それは難しいかもしれません」という判断 が出てくる
- 自信をつけたいなら、そのまま聞けばいい。でも 企画を磨きたいなら、「厳しい目で判断して」と伝える のが大事
なぜ「厳しく」と頼むのか
企画書を作るときや、スケジュールを組むとき、「こういう案でやっていきたい」とAIに相談することがよくあります。
ところが、そのまま聞くと、AIは基本的に全部を肯定してきます。アドバイスはしてくれるのですが、結論は「いけると思います」になりがちです。
それでは、相談した意味が半分になってしまいます。欲しいのは、自分とは違う、第三者の立場からの意見 です。だから、相談するときに「厳しく」というひと言を入れるようにしています。
「厳しく」で出てくるようになったもの
「厳しく」と付けるようになって変わったのは、出てくる意見の中身です。
- 「こういう反対意見が出るかもしれません」
- 「それをやるなら、厳しめに言うと、難しいかもしれません」
こうした、できるか・できないかの判断 を、はっきり言ってくれるようになりました。
大きな失敗を防いだ、という劇的な出来事を覚えているわけではありません。ただ、自分では思いつかなかった視点が先に出てくるので、それを取り入れやすくなりました。つまずく前に気づける、という使い方です。
実例1:サイトの名前を決めたとき
このサイト「さいはてラボ」の名前を決めたときも、「厳しく」が役に立ちました。
AIに名前の案をいくつか出してもらった中で、最初に「いいかも」と思ったのは「ローカル×AI通信」という、中身がひと目でわかる名前でした。そこで、「厳しめに言ってどう思う?」と聞いてみました。
返ってきたのは、こんな指摘です。
- 「ローカル×AI」は多くの人が使っている言葉で、検索しても埋もれてしまう
- このサイトの一番の強みである「道東」という言葉が、名前に入っていない
- 「×」の記号は入力しにくく、口で伝えるときも読み方に迷われる
- 数年後には「AI」という言葉自体が当たり前になり、名前だけ古く見えるかもしれない
言われてみると、どれももっともでした。そこから、覚えやすくて、日本語で読めて、ほかにない名前 という条件で選び直して、「さいはてラボ」に決まりました。気に入っていた「ローカル×AI通信」は、名前ではなくサブタイトルとして残しています。
実例2:最初の記事が難しすぎたとき
もう一つは、このサイトの最初の記事を作ったときのことです。
AIが書いた下書きを読んで、「専門用語が多すぎて、読む人を選ぶんじゃないか」と感じました。そこで、「厳しく教えて」と聞いてみました。
AIは、こちらの感じたとおりだと認めたうえで、さらに踏み込んだ指摘をしてきました。
- 読んでほしい相手は、AIに興味がある地方の事業者や役場の人なのに、プログラムを書く人向けの内容になっている
- 読む人が知りたいのは「どうやって作ったか」より「自分にもできるのか」
- 原因は記事1本ではなく、書き方のルールに「誰に向けて書くか」がなかったこと
この指摘のおかげで、記事を書き直しただけでなく、毎日の記事の書き方のルールそのものを直すことができました。「わかりやすくして」とだけ頼んでいたら、記事1本の修正で終わっていたと思います。
「厳しく」と頼むときのコツ
これからAIに相談する方に、伝えたいことは一つです。
自己肯定感を上げたいなら、そのまま聞けばいい。企画や考えを磨きたいなら、「厳しい目で判断して」と伝える。
頼み方の例を挙げておきます。
- 「この企画書を、厳しめに評価して。弱いところから教えて」
- 「この案に反対する人がいるとしたら、どんな意見を言うと思う?」
- 「この予定で本当に間に合うか、厳しく判断して」
AIに遠慮はいりません。ほめてもらうためではなく、自分の考えをもう一段よくするために使う。そう考えると、AIは頼れる相談相手になってくれます。