プログラムを書かずに、AIと1日でメディアを立ち上げた話
このサイト「さいはてラボ」は、AIのClaude(クロード)と会話しながら、1日で立ち上げました。
結論から書くと、こんな結果になりました。
- かかった時間:朝に相談を始めて、夕方にはサイトが公開されていました
- 自分で書いたプログラム:ゼロ。サイトの見た目や仕組みは、すべてAIが作りました
- 費用:0円(サイトの置き場所も、公開の仕組みも無料の範囲で使っています)
- 毎日の更新:毎朝、AIが記事の下書きを書いて知らせてくれ、こちらが読んでOKしたら公開される流れまで作れました
「AIでサイトが作れる」とはよく聞きますが、実際にやってみると、AIが得意なところと、人がやらなければいけないところがはっきり分かれました。その境目を、正直に書いてみます。
最初にやったのは「何のメディアにするか」の相談
いきなりサイトを作り始めたわけではありません。最初は「どんなメディアがいいか調べて」とAIに頼みました。
AIが調べてきたのは、いまの検索の事情です。AIで記事を大量に作るだけのサイトは、Googleから評価されにくくなっていること。そして、言葉の意味を調べるような検索は、検索結果に出るAIの要約で答えが済んでしまい、記事まで読まれにくくなっていること。
そこから出た答えが、「自分が実際にやったこと、現地で見たことを書くメディアにする」でした。AIにまねできないのは、現場の体験だからです。こうして、道東の現場から「AIを使った実践」と「地元の情報」を届けるという、このサイトの方向が決まりました。
名前選びでは、AIに「厳しめに」意見をもらった
サイトの名前も、AIに案を出してもらいました。最初に気に入ったのは、英語の名前でした。
ところが「厳しめに言ってどう思う?」と聞くと、AIはこう指摘しました。
- 英語の名前は、耳で聞いても日本人がつづりを打てず、検索までたどり着けない
- 「East End」はロンドンの地名や海外ドラマの名前でもあり、検索すると埋もれてしまう
なるほど、と思いました。そこで条件を「日本語で読めて、短くて、ほかにない名前」に変えて出し直してもらい、決まったのが「さいはてラボ」です。実際に検索してみても、同じ名前のサイトは見つかりませんでした。
ここで感じたのは、AIには「ほめて」ではなく「厳しく」と頼んだほうが役に立つということです。案を出すのは一瞬なので、遠慮なくダメ出しをもらって、選び直せばいいのです。
サイトづくりはAI、つまずいたのは「アカウントの設定」
サイトの見た目や、記事を並べる仕組みは、AIがまるごと作りました。こちらがやったのは、できあがったプレビューを見て「いいね」と言うことくらいです。
時間がかかったのは、むしろその後でした。サイトを公開するには、2つの無料サービスにアカウントを作ってつなぐ必要があります。
- GitHub(ギットハブ):記事やサイトのファイルを保管しておく場所
- Netlify(ネットリファイ):保管したファイルを、インターネット上のサイトとして公開してくれるサービス
この「つなぐ」作業は、AIが代わりにできません。自分でボタンを押して、許可を出す必要があります。ここで何度かつまずきました。
つまずき1:設定画面が似ていて、違う場所を開いていた GitHubには、ファイルの置き場所ごとの設定と、アカウント全体の設定があります。見た目がよく似ているので、何度か違う画面を開いていました。画面のスクリーンショットをAIに送ると、「今開いているのは別の場所です。こちらのアドレスを開いてください」と教えてくれたので、迷子にならずに済みました。
つまずき2:自動翻訳で、ボタンの意味が変わっていた ブラウザの自動翻訳で画面を日本語にしていたら、本来は「許可を取り消す」という意味のボタンが「取り込み」と表示されていました。押していたら、せっかくの連携が切れるところでした。これもスクリーンショットを見たAIが「このボタンは押さないでください」と止めてくれました。
つまずき3:サービスの画面が新しくなっていた Netlifyの設定画面は、AIが案内した場所と実際の画面が少し違っていました。サービスの画面は頻繁に変わるので、AIの知識が追いついていないこともあります。そんなときも、画面を見せれば、AIは今の画面に合わせて案内し直してくれました。
まとめると、AIは「作る」のは得意、でも「アカウントの許可を出す」のは人の仕事です。そして、迷ったら画面をそのまま見せるのがいちばん早い、というのが今回の学びでした。
毎日の更新は「AIが書いて、人が確認して、公開」
最後に、毎日の更新の仕組みです。
- 毎朝決まった時間に、AIが記事の下書きを1本書く
- 書き終わったら、スマホに通知が届く
- 通知から下書きを読んで、OKなら「公開して」と返す
- 直してほしいところがあれば、そのまま伝えると直してくれる
ここで大事にしたのは、人が確認するまで公開しないことです。AIは頼めば、それらしい体験談をいくらでも書けてしまいます。でも、道東のお店やイベントの話が実在しない内容だったら、地元の人にも読者にも迷惑がかかります。
そこでAIには、「運営者が体験していないことを、体験したように書かない」「お店の営業時間やイベントの日程は、公式の情報で確認する」といったルールを渡してあります。
じつは、この記事自体も一度書き直しています。最初にAIが書いた下書きは、プログラムの話や専門用語が多く、読む人を選ぶ内容でした。「もっとわかりやすく」と伝えると、AIは記事だけでなく、毎日の書き方のルールのほうも一緒に直しました。一度伝えれば、次の日からも同じ失敗をしないのは、AIに任せる大きな利点です。
まねするなら、どこから始めるか
「自分の町や店でもやってみたい」と思った方は、最初に次の2つを決めることをおすすめします。
- 誰に読んでほしいか:観光客なのか、地元の人なのか、同じ業種の人なのか
- 自分にしか書けないことは何か:毎日見ている景色、お客さんとの会話、作ったものの裏側など
この2つが決まっていれば、サイトづくりや文章の整理はAIがかなり手伝ってくれます。逆にここがあいまいだと、どこかで見たような記事が並ぶだけになってしまいます。
さいはてラボでは、これからもAIで作ったゲームやPR動画、イベントづくりの裏側を書いていきます。地域でAIを使ってみたいという方の、最初の一歩の参考になればうれしいです。